今回の山行は、四国の山の中で自分が個人的に好きな大座礼山。山頂近くで迎えてくれるブナの巨木たちは、悠久の時の流れを感じさせてくれる。…っと言いつつ、計画したときには秋の紅葉と冬の樹氷の狭間の時期なので微妙だとは思っていたけど…。
前週末の寒波で四国の山も雪景色となっており、登山口までのアプローチを少し心配していたけど、幸い昨日から好天で気温も上がり、登山口までの道は太陽号バスでも問題なかった。
今回の参加者は9人。高松から初参加の横山さんと、本川からのさくらさんとは登山口で合流する予定だったが、バスが少し遅れて、横山さんは電波が届かない中で待たせてしまい、さくらさんは道を間違えて、これまた電波が途切れ途切れで連絡がままならずで、各地から参加する場合には登山口集合ではなく、もうちょっと電波が通じる大川村役場あたりを合流ポイントにすることを教訓とした。
登山口で15分ほど待ったが、さくらさんは登山口までもう少しかかりそうと言うことで、彼女の山の経験と健脚を信じて、先に登り初め、跡から追いかけてもらうことにした。車の道には雪はないが、登山道にはまだシャーベット状の雪がけっこう残っている。
ガイドブックなどには「初心者にも登りやすくて人気の山」とあったので安心していた植木さんが、いきなりの雪の急登で「えっ?ここのぼるのっ。」と衝撃を受けている。しばらく沢沿いに登り、渡渉してからまた急登が続く。残雪はあれど気温は高いので汗も噴き出す。
やや傾斜が緩やかになり大北川源流近くの丸木橋を一歩一歩安全を確認しながら慎重に渡るとトラバース道に入ってくる。アップダウンはなくなるが、数年前に来たときよりも道が削れて狭くなっている箇所が多い気がする。
なかなか追いついてこないさくらさんを心配して佐和が登山道を振り返り大声で呼んでみると、直ぐ近くで「はーい!」と答える声が。やっと追いついてくれて一安心。登り口を見落として、しばらく林道を進んでしまい、余計に遅れてしまったとのこと。
全員がそろったところで再びトラバース道を歩き始める。樹林帯の中ではヒガラのさえずりも聞こえ、小春日和の森林散歩気分である。秋のこの時期の囀りは珍しいと思ったら、横山さんによると、「あれは、『来年の春はよろしくね!』と次のシーズンの予約をしている…」ということらしい。
日陰にはこの辺りも雪が残っていて、ようせいくんもテンションが上がって楽しそうに歩いている。
人工の杉林になりしばらく行くと井野川峠の分岐になる。右に折れ急登に入るとぽつぽつとブナの大木が現れ出すが、メインはもう少し急登を頑張らねば。
太ももがしんどくなってきた頃にこの山の守り神のようなブナの巨木が現れる。幹周りは大人6~7人が手をつなぐ程だが、現在は、根を守るためか柵で囲われており、幹に近づくことはできない。長いときの間にいったい何人の登山者の安全を見守ってきてくれたのだろうか。
そこからは頂上までワンピッチ。張り出した根っ子が入り組んだ尾根道を「もう少し、もう少し。」とみんなで励まし合いながら、やっと12時15分に頂上到着。約30分遅れで登り始めたのに計画通りの時間に登頂。みんな頑張りました!
風もなくぽかぽかと春のような日差しが降り注ぎ、山並みを見ながらのランチタイム! っと思いザックを開けてみると…
妻に持たされた南蛮漬けのタッパの蓋が緩んでザックの中に汁が漏れてしまっていて、ダウンや合羽も全て南蛮漬け風味でべたべたになってしまっていた。今日は暖かく、ダウンも合羽も出番がないのが不幸中の幸いである。
恒例の昼食後のおやつ交換タイムも楽しみになっており、横山さんが持ってきてくれたドライフルーツのリンゴがリンゴっぽさが残っていてとても美味しかった!
13時過ぎに集合写真を撮ってから、満腹のお腹を摩りさすりのんびりと下山に入る。
途中からは初参加の横山さんにもサポートをお願いした。けっこう難易度の高い道だったけど、落ち着いた丁寧な誘導で、安心して15時7分に下山することができた。「ありがとうございました。」
少しずつブナの巨木も登山道も経年の変化が感じられたが、雪もありぽかぽかもあり、本日も素敵な山行になった。
帰りには道の駅早明浦に寄り、すっかり恒例になった串焼きと泡の飲み物をゲットし、気持ち良くバスに揺られて皆さん帰路についた。運転手の岡林さん、本日も安全運転ありがとうございました。