全盲になってからの山登り
私が会長さんに誘われて、四国ポレポレ視障者山楽会に入ったのは、平成12年3月で、1年2ヶ月経ちました。その間9回いろいろな山に登りました。”ポレポレ”という名は、スワヒリ語で「ゆっくりゆっくり」という意味です。
視覚障害者も山を楽しむ会は、20年以上の歴史を持つ東京六つ星や、関西のかざぐるまを始め全国で多数誕生しています。四国ポレポレは、平成8年結成で、現在の会員数は29名、うち視障者は6名となっています。
視障者山岳会の始まりは、視障者自らが山登りを楽しみたいと、日本点字図書館や一般山岳会に申し出たところから起こっています。
私は目の見えていた若い時分には、歩くことは好きな方でしたが、キャンプや山登りはしたことがなかった。ましてや西日本最高峰の石鎚山の頂上に立つとは想像もしなかった。
誘ってくれた手前とか、体力を付けるためとか、友人を増やすためとか理由を付けて入会しました。しかしどうせ山登りをするなら、周りの人に迷惑をかけないような登山グッズをと買いそろえた結果、後に引けなくなってしまいました。
最初の頃は、「おーの足が痛い!」、「足が前に出ないちや!」、「景色も見えないのに何が楽しくてこんなことをしているんだろう」と一人愚痴をこぼしていました。そのうち野鳥の声のテープをダビングしてくれ、少しずつ聞き分けられるようになり、山歩きに体も慣れてきて、空気や水のおいしさも味わうようになり何よりも頂上や下山後に飲むビールはおいしい! 更に頂上で昼寝をしているときの充実感、開放感はたまらない!
山歩きをするときは、仲間二人にサンドイッチされ、前の人のリュックサックにつけたひもを握り、もう一方の手でストックを持ちます。そして前の人の動きに体を合わせ、「倒木をくぐるよ」、「40cmの段を下りるよ」などのサポートを受けながら進むので、ひょっとすると白杖一本で町中を歩くより安全かも知れない。
最後に童謡を一節
- 友達100人できるかな
100人で食べたいな
富士山の上でおにぎりを ぱっくんぱっくんぱっくんと♪
H・中村 40代男性 (視覚障害:全盲)
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