本文へスキップ

視覚障害のあるなしに関わらず友に山の仲間として野遊びを楽しむ

四国ポレポレ山楽会

Facebookでシェア
X(旧Twitter)でシェア
LINEでシェア

なぜ山に登るのか?reason for climbing

《 もくじ 》


視覚障害者と山登り

 「トゲアザミに、ミツバチが止まってますよ」
 「うわー、大きいギンバイソウ、触ってみる?」
 これは、先月剣山へ「ポレポレ山楽会」の仲間と一緒に登った時のひとこまだ。「
 ポレポレ」とは、スワヒリ語で「ゆっくりのんびり」という意味。視覚障害者とともに楽しむ登山の会である。
 サポーターは、視覚障害者の前後に晴眼者が立ち、前の人のリュックにつけたロープを左手で持ち、動きを確かめながら歩くのである。後ろの人は「右上に木の枝が、左はがけです」と声を掛け、また、冒頭のように風景をはさみながら登るのである。
 私も、視力が落ちてから山とはまるで縁がなかったが、この山楽会と出会って、登山靴を押し入れから十年ぶりに取り出した。もう二年になるが、徐々に体力もついてきた。
 先月は三歳の娘と一緒に参加した。ある仲間は失明後、通風を患っていたが、症状が良くなり医師からも続けるように言われている。また、ある中途失明の男性は、「山に登るのは二十年ぶり。気持ちがいい」と、笑顔がこぼれる。これからも、このような声をたくさんつくっていきたい。
 かく言う「ポレポレ」も、徐々に視覚障害者の参加が増え、慢性的なサポーター不足が悩みである。折しも、今秋には、障害者スポーツの祭典「よさこいピック」が開催される。
 競技スポーツの向上とともに、障害のある人が広くスポーツを楽しめるよう、すそ野を広げていきたい。

Y・藤原 40代男性 (視覚障害:光覚)