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視覚障害のあるなしに関わらず友に山の仲間として野遊びを楽しむ

四国ポレポレ山楽会

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ポレポレ山楽会のあゆみcircle history

《 もくじ 》


雪の小径(工石山)

山行日:
1996年01月03日 曇りのち晴れ
行き先:
工石山 (1,172m) 高知県土佐山村
参加者:
6人

《REP》
 歩き始めると、小さな鳥の声が聞こえてきた。ホオジロのようだ。それを林さんに言うと、笑いながら「地鳴って、わかりませんね」という。和やかな談笑をしながら歩いているので、ふと彼に障害があることを忘れてしまう所だった。私の後ろを歩くHさんが右手にもつ白い杖が、暮れに積もった雪を探っているようだ。杉の林の中ではエナガの声も聞こえてきた。天気予報によると下り坂だという空も、それほどではないようだが、日が陰って道が少し暗くなる。私にはどうと言うことのない変化なのだが・・・。
 すこし登った「杖塚」からコースを南周りに取ると、少し霞んではいるが南に高知市が一望できた。雪の上にはイタチと思える落とし物も見られた。
 なんなく「桧屏風」に着いた。少し思い過ごしだったようだ。気追い込んでいた自分が恥ずかしい。今度からはもっと気楽に歩こう。もっと周りの景色に気を配ろう。そして一緒に山の空気を感じよう。
 少し下ると、そこは「犀の河原」夏には冷たい水が心地よい所だ。渡渉したところに、幾つかの足跡とため糞がみられた。狸だろうか。春にはここを一人遡上してキビタキの美しい歌声と姿を堪能したがそのまま道を辿る。いつかは一緒に沢も登れるかもしれないと思いつつ・・・
 シャクナゲの林を抜けるともうすぐ頂上。ツグミの声が聞こえている。里ではまだあまり見ない鳥ツグミが頂上付近で群れていた。降りてくれば春だろうか。
 林を抜けてぱっと明るい頂上に立つ。笑顔がみんなに浮かぶ。少し早いが、さっそくお昼だ。林さん差し入れの缶ビールで乾杯。ふっと緊張をほぐす。林さん藤原さんもだろう。振り返って小さな生き物達の足跡を思い浮かべる。

1月3日 とうくろう